特集 FEATURE

更新日:2023.09.25

ながおか暮らしの編集会議

 

7月8日に当センターで「ながおか暮らしの編集会議」を開催しました。この講座は「暮らしたい長岡をどうつくっていくのか」をテーマに、長岡が選ばれる地域になるためには、私たちは何ができるかをご参加いただいたみなさんと一緒に考えました。

「はたらく」から「くらす」を重視

第一部の基調講演では、株式会社良品計画の長田英知さんに「変化した都市部の暮らし どう住み、どう働くか」をテーマにお話しいただきました。
コロナ禍で注目された地方移住でしたが、首都圏一極集中のトレンドは変わらず続いています。
しかし、その内訳をよく見ると世代別では10代後半から20代前半は転入が多いものの、20代後半以降は転出が多い傾向があるそう。
これまでは都市部で働き、千葉・神奈川などの周辺地域で暮らすという生活スタイルが主流でしたが、コロナ禍がもたらした影響の一つであるリモートワークの普及によって、職場からより離れた地域で暮らすという選択肢が増えました。
「東京圏からの転出先は周辺地域。その人口をどう長岡に繋げるかが課題」と長田さんは話します。

暮らしに必要な要素とは?

みなさんは自由にどこでも住めるとしたら、どんなことを基準に地域を選びますか?利便性の高さや、スーパーや病院が近いなど、それぞれ重視したいポイントは異なりますよね。では、暮らしに必要な要素はどうでしょうか。「働く場・仕事があること」、公園や自然環境などの「遊び場」があること、子育て支援や福祉・教育などの「社会インフラ」が整備されていること、地域に参加できる「コミュニティ」があること。この4つが必要な要素であり、外から見たときに魅力的な地域だと思うポイントになります。

多様な立場からみた長岡の「暮らし」

東京からのUターン実践者の南さんは「Uターンを考えたときに一番の悩みが仕事だった」と話します。
自分のキャリアを活かした仕事が新潟にはないのではないかと思っていたそうです。しかし、探してみると新潟にもマーケティングの企業があることがわかり、転職とともに移住することになりました。

移住定住促進事業を担当している佐藤さんは「移住者の仕事はテレワークが多い」と話します。
理由として挙げられるのは市内にサテライトオフィスを持つ企業やリモートワークの企業が増えたこと。
職場は都市部でも仕事場を自由に選ぶことができ、働きたい場所で働く人も増えてきました。
7月22日にオープンしたミライエ長岡をはじめ、市内には仕事や勉強ができるワークスペースが数多く整備されています。
こうした環境は行政が整備する社会インフラの一つ。
多様な人が利用できる公共施設のほか、福祉や子育て支援サービスの充実も暮らしには欠かせない要素ですよね。
とはいえ、すべての人が満足する社会インフラがあるわけではありません。

そういった行政サービスでは足りない部分を柔軟な発想でカバーしてくれているのが市民活動団体です。
当センターに団体登録している団体数はなんと427件。これだけ多くの市民活動団体が市内に存在し、それぞれ多様な分野で活動しています。
市民活動は、職場でも家庭でもない場所にある、もう一つのコミュニティ。
地域に参加できるコミュニティを持つことで、困ったときに助け合える相互扶助の関係を築くことができ、好きなこと・得意なことで関われる場が自分のやりがい・生きがいにつながります。

つながりを続けていくために

つながりを続けていくか」ということが話題の一つになりました。
「進学に伴い、長岡市に移住してくる学生が多くても、ほとんどが就職を機に市外・県外へと移住している。
その学生たちが卒業後も長岡に就職したり、市外に移住したとしても何かしらの形で関わってくれる機会をつくりたい」とミライエ長岡の間嶋さんは話します。
この市外へ流れてしまう人口をどうやって長岡に留めておくのかという点は、長田さんが挙げた課題と共通しています。
長岡のことを知ってもらうこと、遊びに来てもらうことができても、そこから移住につなげることは「遊ぶ」から「暮らす」に目的を変えてもらう必要があるため、簡単なことではありません。
また、移住や定住者を増やすためには長岡での暮らしをイメージしてもらう必要があるという意見もありました。
佐藤さんは移住希望者に対して、移住後のギャップがないようにあえて長岡のネガティブなことも伝えていると話します。
ネットの検索だけではわからないリアルな暮らしを知るためには、地元民との交流にヒントがあるかもしれません。

多様な人が同じ立場で話せる場  

講座の感想には「パネルディスカッションに参加したかった」「会場を巻き込んでほしかった」という声が多く寄せられていました。
誰にでも共通する「暮らし」についての話題だからこそ、それぞれが感じたこと、気づいたことを共有したいと思った方が多かったようです。
長岡に関わる人同士が気軽に話せるような場があることで、多様な人と出会い、長岡を知る・考えるきっかけとなり、そこから生まれるアイデアもあるかもしれません。

講座終了後には、参加者と登壇者を交えた交流会を開催しました。

 

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