Nagaoka Players PLAYER

更新日:2025.02.01

支える力、学び続ける姿勢|田中民子さん

地域をよくするウワサのあの人にインタビュー!毎月、市民活動に取り組むプレイヤーをご紹介。
活動に関わったきっかけや、どんな役目を果たしているのか伺う中で、活動への多様な関わり方が見えてきました。


田中民子さん/60歳/特定非営利活動法人 女のスペース・ながおか 主任相談員
1964年長岡市生まれ。商業デザインや広告関連、営業事務の仕事を経験。
2014年から女のスペース・ながおかの相談員を務める。

 長年ものづくりの仕事に携わっていた田中民子さん。現在の仕事を始めるきっかけは、転職を考えていたときに偶然目にした特定非営利活動法人「女のスペース・ながおか」の求人でした。性別に対する考え方を見直し、不平等や偏見をなくそうとするジェンダ―の視点で、女性が自分らしく生きることを支援するという事業内容を見たとき、田中さんの頭に浮かんだのは都内で働いていた20代の頃の記憶。さまざまな悩みを抱え「相談できる場所があったらいいのに」と感じ、カウンセリングを受けたくても受けられなかった想いが蘇りました。長年胸の奥にあった想いに背中を押され、新たな分野へ飛び込もうと決意しました。

 田中さんの業務は、女性や子どもを対象としたDV・虐待、パートナーとの関係、家族との問題などに関する相談支援やフェミニストカウンセリング。電話や面接での相談対応に加え、支援者養成やDV防止啓発講座の企画・運営など、最近では若年女性や子どもたちのための居場所づくりにも力を注いでいます。
 

2024年から新たに始めた居場所づくり講座。第1回目は心と体を整える「かんたん瞑想ヨガニドラ」を開催。

 相談支援の現場で大切にしていることは、相手の本当の想いを丁寧に聞き取る姿勢。「相談者が最初から本音を言えることはほとんどありません。安心して本心を語れるようになるまで時間をかけて伴走すること、支援者側がその想いを誤解なく受け止めることが重要だと感じています。」小さな一歩の積み重ねにより、相談者が少しずつ変化し、元気を取り戻していくことが喜びとやりがいにつながっています。

 活動をはじめて10年以上が経過しましたが、相談支援に関するさまざまな研修を仕事の合間に受けては実践する毎日が続いています。「フェミニストカウンセリングと一般的なカウンセリングの違いは『女性の生きづらさは個人の問題ではなく、社会の問題である』という視点で臨むところが大きく、自分の中にもジェンダーバイアスがかかっていないか考えることは多いです。」
自分が無意識に抱いていた偏見や固定観念に気づくたびに、新たな学びの必要性を痛感するそう。「ジェンダーの視点を持つというのは単に知識を増やすだけではなく、自分の中にある価値観を問い直す作業でもあり、そのプロセスを繰り返すことで、相談者の想いを汲み取ることができる」と語ります。こうした自己反省と学びの積み重ねが支援の土台になっています。

 現在、支援の質を高めるため、資格取得に挑戦している田中さん。自分自身の価値観を問い直しながら学び続け、支援者として成長したいという想いを胸に今日も活動に取り組んでいます。

 

DV・虐待を受けた母子への自立支援プログラムの一環で行ったお楽しみ講座での一コマ。

こちらの内容は、Youtubeのほか各種音声メディアでもお楽しみいただけます! ぜひご視聴ください。