五色百人一首でつながる多世代交流
皆さんは「五色百人一首」(ごしきひゃくにんいっしゅ)を知っていますか?
映画やドラマで話題になった「ちはやふる」で百人一首ブームが来ていますが、その百人一首をより簡単にして様々な方が楽しめるように工夫されたものが「五色百人一首」です。
五色百人一首は小学校の授業等にも取り入れられているため、KNH五色百人一首クラブレッドキャッツ(以下:レッドキャッツ)に参加される方は小学生が中心です。
ただレッドキャッツは小学生だけでなく、兄弟でついてきてハマった未就学児の子や、親御さん、日本語を学びたい外国の方など多世代・多文化で日本の伝統を楽しむ、温かな市民活動団体です。
私も何回か練習に参加させていただきました。その時に感じたレッドキャッツの魅力・面白さをレッドキャッツに参加されている方のインタビューとともにお送りします。

大人も交じって真剣勝負。試合中はピリリとした空気に包まれます。
練習に参加!先生は参加する小学生
取材で訪れた私ですが、なんと練習にも参加させていただけることとなりました。
まずやったのは、「素取り」(すどり)と呼ばれる基礎練習。
野球で言う「素振り」みたいなものです。
百人一首もそうですが、トップレベルになってくると札をいかに早く取るかで試合が決まったりもするそうです。その僅差を埋めるための練習です。
やり方は簡単。札を9枚並べてストップウォッチをスタート。一枚ずつ自分の後ろに札を取っていく、その秒数を記録していきます。と言っても初心者の私から見てもめっちゃズルして新記録を叩き出している子たちもいる和やかな練習でした。
「よっしゃ~~9秒~~」「もうそれずるやん!」
と思わず心がほっこりするやり取りを横耳に私もやってみました。周りにはわいわいとギャラリーが。(笑)
結果は、11秒くらい。初めてにしてはすごい記録だったらしく、若干周りが引きつつ先生は「才能あるよ」と褒めてくれました。
レッドキャッツに取材に行かなかったら一生分からなかった自分の才能に驚きました。
その後は、札を並べて簡易的な試合をしました。
100句ある句をベテラン参加者はほとんど覚えていて、私では歯が立ちませんでした。それでも取れた方らしく、また先生に「才能あるね」とお墨付きを頂けました。
早く取るコツや、試合のやり方、おすすめの句など小学生が先生になって大人に教えてくれる構図は、客観的にみるととっても面白かったです。
私が小学生の時にこうやって楽しみながら大人と話す機会を得られているとまた違う個性が身についていたのかななんて思います。
参加されている3名にインタビュー
実際にお子さんをレッドキャッツに通わせているお父さん(百人一首強い)にインタビューしてみました。

上の子は4年生。下の子が2年生。子どもと一緒にやるうちに自分もハマっていったそう。
「Q.お子さんをレッドキャッツに通わせていて、よかったなと思うことはありますか?」という質問をしたところこんな回答が返ってきました。
「多世代で交流した経験は、今はまだ本人が気づかないけど後々の財産にきっとなってくれる。人生の糧になる力が身につく。」という言葉が印象的でした。他校の子供たちがいたり、親御さんと一緒に百人一首をする中で話したりが活動中にはしばしば見られます。
子どもたちは授業だけでは身につかないスキルが、楽しみながら身につくのがとてもいいと五色百人一首の環境を振り返っていました。
次に大会でも結果を残している小学生の女の子にインタビューしてみました。
始めたきっかけは、「強い子に負けたくなかった」こと。練習を見ていてももはやスポーツと思うほどの迫力と熱気に負けん気を皆さんから感じました。
また「Q.やっていて楽しいこと」も聞いてみました。
いろはかるたや、トランプと何が違ってどこが面白いのか分からなかったけど、昔に作られた百人一首を分かりやすく誰にでもできるようにしてくれたことに感謝しながらできること。
また、どんな人でも簡単にできるし、慣れれば大会でも賞を取れるようになるからとても楽しいと言っていました。
百人一首は一見難しそうですが、どんな人でも簡単にできるようになったことが五色百人一首の魅力だと教えてくれました。
次は海外出身の方にインタビューしてみました。
レッドキャッツにはインドネシア出身の方も参加されています。
日本に来てまだ2ヶ月の彼は、日本語学校でカルタを使って日本語の勉強をしていたところ面白いと思い、レッドキャッツに参加。
今は自分でも歌を作り、楽しむほど活動にハマっているそうです。
「Q.レッドキャッツの魅力は何ですか?」と尋ねてみました。
ラフに日本語が勉強できて、色々な人と話せるところだそうです。
最初は友人と参加した彼も周りの小学生と馴染んでいて、一緒の目線で百人一首を楽しんでいました。普通に札を取っていましたし、互角以上に戦えているときもあるくらいでとても驚きました。
練習は月に11回。小学生はもちろん、大人も歓迎。
小さい頃から五色百人一首によって言葉を覚えるのが早かったりといったメリットもありますが、レッドキャッツにいることで多世代で交流できたり、他の小学校の子達と知り合いになれたりと、かるたを手段として友達がたくさんできるとてもいい環境だと思いました。
練習が終わると、体育館で自由に遊ぶようです。それを楽しみに来ている子もいるらしく、広いところで時間ややる事に縛られず自由に遊べる空間も大切にされていました。
練習は、Zoomも合わせて月に11回開催中。対面での練習は、高町公民館や下川西コミセンでやっています。
子どもだけでなく、大人も歓迎。一緒にカルタをやってみたい方募集中だそうです!
KNH五色百人一首クラブレッドキャッツを紹介した過去の記事はこちら↓
市民活動レポートとは
長岡で活動している市民活動団体に、私・岡﨑が実際に参加し、どのような活動をしているのか、どんな人たちが関わっているのかを紹介するシリーズです。
市民活動に興味はあるけれど、なかなか一歩を踏み出せない方に向けて、現場の雰囲気や体験して感じたことをお伝えします。
読むことで、地域との関わり方や、自分に合った関わりしろのヒントになればうれしいです。