「遊び」は「学び」
子どもたちの遊び体験を守る活動
今、私たちのまちが抱えている様々な課題に、それぞれの特性を活かして向き合い続けている市民活動団体をご紹介します。今月号のテーマは、「『遊び』は『学び』」。子どもたちが自由に遊ぶことのできる場所の減少や、人とのつながりの変化により減り続けている外遊びの時間を、活動団体はどのように守っているのでしょうか?
みなさんは、子どもの頃何をして遊んでいましたか?外でたくさん遊んでいたという方もいらっしゃるのではないでしょうか?しかし、空き地の減少や、公園にある禁止看板の増加により、子どもたちが自由に遊べる場所は少なくなってきています。また、遊べる場所があったとしても、年上の子どもたちと一緒に遊ばなくなったことで、遊び方をまねする機会が減り、外での遊び方がわからない子どもが増えているという問題も。このような状況の中、子どもたちの外遊び体験を守るために活動している団体をご紹介します。
長岡市栖吉町にある緑豊かな「赤城コマランド」で、野外保育をしている「森のようちえん『ふたばっこ』」。晴れの日には晴れの日の、雨の日には雨の日の楽しみを見つけながら、一日の大半を外で過ごしています。ふたばっこの大きな特徴の一つは、スタッフが子どもたちの遊びに対して必要以上に口出しせず、子どもたちの自主性を大切にしているところ。自由時間には、積もっている雪と枝でケーキを作っている子がいれば、おにごっこをしている子、何かをじっと眺めている子も。また、お散歩の時間には、スタッフがコースを決めるのではなく、子どもたちが決めたコースを歩き、木登りやふきのとう採りなど、子どもたちがその時にしたいと思ったことをスタッフが一緒に楽しんでいます。「危ないからダメ」と頭ごなしに叱ったり、必要以上に手を貸したりせず、子どもたちがのびのびと遊べる場所をつくっているのです。
国営越後丘陵公園で活動している「一般社団法人 森の演出家協会 長岡支部」は、子どもたちに外での遊び方や楽しさを教えるプロ集団。気軽に自然に触れることのできるイベントやワークショップを開催しており、それぞれの専門的なスキルをもったスタッフが講師を務めます。そのイベントの一つが、家族を対象にキャンプの技や楽しさを伝える「キャンプの楽校(※がっこう)」。春から冬のそれぞれの季節に開催されており、その季節に合ったキャンプの技を体験することができます。1月には雪上キャンプの体験会も!冬でも半袖でキャンプを楽しむ小林隊長が参加者に、雪上にテントを立てる方法や、寒さをしのぐ方法、寒さの中で眠りにつくコツを伝授したそう。外での遊び方がわからない子どもが多い中、遊び方の一例を見せることで、子どもたちが自然に触れるきっかけをつくっています。
自由にのびのびと遊ぶことは、子どもたちの創造性を育み、その創造性はいつかこの社会をつくります。子どもたちが外で遊ぶ時間と場所を、守っていきたいですね。
メンバー&参加者の声
【参考文献
・北村安樹子, 2010, 「子どもの遊び空間と地域の住空間」『Life Design Report (Winter 2010.1)』:17.
・小川博久, 2007, 「子どもの遊び場における『プレイリーダー』の役割についての理論形成の必要性」: 85
本記事は、らこって2021年5月号でご紹介しています。