長岡市内で活動する団体を訪問!
今回は、「Phoenix Robots」さんにお話を伺いました。
どんなことをしている団体ですか?
中国・深センで開催されるロボットコンテスト「RoboMaster」に参加している学生団体です。主な活動内容はRoboMasterに出場するロボットの開発です。7種類9台のロボットを学生だけで機械設計・製作・制御回路開発すべてを行います。開発拠点は主に長岡技科大近くのながおか新産業創造センターで、日々多くのメンバーが学校帰りに拠点に寄り、開発に打ち込んでいます。
RoboMasterの大会は毎年8月に中国・深センで1週間以上に渡り開催され、開発費に加えて多くの渡航費を要します。Phoenix Robotsは県内外の50を超えるスポンサー・サポーター企業から支援を受けることによりこのような活動を続けることができています。
Phoenix Robotsはロボット開発や大会出場だけではなく、市内・県内の小中学生や一般の方向けにロボットの操縦体験や講演会を行っています。チームを支えてくださる地元企業や地域への恩返しをしたいと考え、自分たちが得てきた知見を子供たちに伝えることで次世代のロボットエンジニアを少しでも増やす活動にも取り組んでいます。
活動を始めたきっかけと、これまでの歩みを教えてください。
Phoenix Robotsは2020年春に誕生しました。長岡には多くのロボット団体が乱立しており、その多くは大学学部生までが対象のものでした。このようなロボット団体への参加経験のある学生が修士・博士になってもロボコンを続けられるように、そして長岡の優秀なロボットエンジニアのつながりを保つためにPhoenix Robotsは結成されました。チームの最終目標は「RoboMasterで世界一になること」です。
結成まもなくコロナ禍に突入し、そこから3年間は中国での世界大会への出場権を手にしている状態でありながら大会出場は叶わない苦しい状況が続きました。
ここまでは前代表でチーム発起人の山岸開(筑波大修士、ロボットベンチャー社長)が進めてきた活動になります。
2023年4月より、現代表の高橋我公(長岡技科大修士)がチームを率いることとなりました。コロナも落ち着き、ようやく渡航のチャンスが訪れて本格的に大会出場に向けて活動を進めることとなりましたが、渡航資金の調達が課題でした。17人で1週間以上の遠征、かつ7台のロボットを現地に送るためには莫大な資金を必要としました。4月から8月の大会までの間、地元長岡・新潟の多くの企業様からの協賛や寄付を募り、400万円以上を新規に調達することに成功、晴れてチーム初の世界大会出場の悲願が叶いました。
はじめての大会の目標は「一勝する」というシンプルなものでした。結果としては1
勝3敗、中国国外チームの中でRegional First Prize(2位 / 4チーム)、大会全体の成績としてはFinal Tournament Second Prize(33-46位 / 約300チーム)となりました。また、優秀なマネジメントを行ったキャプテンに贈られる「優秀キャプテン賞」を受賞(5 / 約300チーム)、資金調達や資金管理レベルの高さを認められ「優秀な投資チーム賞」を受賞(8 / 約300チーム)を受賞しました。
現在は来年8月の世界大会に向け開発を再開しております。
どんなメンバーで活動していますか?
Phoenix Robotsの活動は顧問の2人を除いて全て学生で、現在50名ほどのアクティブメンバーが所属しています。社会人になったOBを含めると100を超えるコミュニティとなっています。アクティブメンバーの半数は長岡技科大の学生、3割程が長岡高専の学生、残りは長岡高専・技科大から県外に進学した学生となります。
チーム立ち上げ当初は高専ロボコン・学生ロボコンやその他のロボットコンテストに参加していた学生が集まって活動をしていましたが、チームが成長するにつれロボコン経験の無い学生も招き、チーム内での人材育成にも取り組んでいます。実際に、世界大会出場メンバー17人のうち6人はもともとロボコン経験のない学生でした。
所属する学生の年齢の幅も広く、高専本科2年生(17歳)から大学院博士課程の学生(26歳以上)までおります。日本のロボット団体の中でも最大級かつ特殊なチームであると自負しています。
周囲の反応や、取り組んでいてよかったことまたは大変だったことを教えてください。
チームを通じて最も大きな変化は、人とのつながりの飛躍的な増加でした。チーム内の学生における学校の垣根を超えた交流、そして弊チームのスポンサー企業の皆様や長岡市など、チーム外の方々との交流が盛んにできるようになりました。チームの存続・発展にはチーム内外の多くの方々のご協力が必要不可欠であり、弊チームは有難いことにこれらの方々に恵まれてこれまで活動することができ、チームとしてもメンバーひとりひとりにとっても良かったことなのではないかと考えます。周囲からも応援の声をいただくことが増え、大変有難く感じております。
今後の展望を教えてください。
チームの最終目標は「RoboMasterで世界一になる」ことです。しかし、1年や2年で達成できるほど簡単なものではないためチームの存続、発展が必要不可欠です。
活動の軸は大きく2つになります。まずなにより、各人がエンジニアとして成長しながらロボットの開発・大会出場を続けること、そしてそれを実演や講演を通じて地元長岡に還元し続けることです。
ロボットを作るだけでなく、地域における役割まで見据えた活動をしていきたいと考えます。
こちらの内容は、YouTubeのほか各種音声メディアでもお楽しみいただけます!ぜひご視聴ください。