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更新日:2026.08.26

一人一人のエンジンで前に進む。越後川口エンジンの万灯復活プロジェクトに迫る!【突撃レポート】

「やりたいことをやる」から生まれる、川口地域の温かなエネルギー。

こんにちは!ながおか市民協働センターです。
今回は、長岡市川口地域にやってまいりました!
取材させていただくのは、「越後川口エンジン」の皆さん。地域内外のさまざまな人々が集う、とてもユニークな市民活動団体です。

今回は、越後川口エンジンの活動の一つであり、今年3回目を迎える「万灯(まんどう)復活プロジェクト」にお邪魔しました。かつて川口の各地区で作られていた「万灯」を復活させるプロジェクトです。

その作業現場に突撃してみると、見えてきたのは単なるお祭りの準備だけではありませんでした。世代を超えた参加者それぞれの「得意」が活かされる喜びがありました。

目標をあえて決めないという「ゆるさ」が、なぜこれほどまでに多くの人を惹きつけ、地域の新しい希望を醸し出しているのか。その温かな現場を突撃レポートします!

計画を立てない、越後川口エンジンの「ゆるい」哲学

越後川口エンジンについて代表の青柳さんが答えてくれました。
「基本的には、自分のやりたい活動をやるっていう団体なんです。実は、計画も何もないんですよ」。

越後川口エンジン代表の青柳 拓さん。工務店を営む傍ら、まちづくりの活動に参加している。

団体の特徴は、一つの目的に向かって全員で突き進むのではなく、5名のコアメンバーが好きなこと・やってみたいことを提案し、それに共感した人たちと「プロジェクト」を立ち上げて自由に活動していくスタイル。

現在は万灯復活プロジェクトのほか、空き家を活用したチャレンジショップスペース「越後川口まちの暮らしラボ」でのカフェや古本屋の運営、さらには地元のロックバンド「KAWAROCK」によるライブ、子ども達向けの木工教室、JR越後川口駅前の桜並木のライトアップやメッセージ風車の展示を行う夜桜さんぽなど、ワクワクする企画を次々と生み出しています。

越後川口エンジンは、「川口きずな館」を中心に「NPO法人くらしサポート越後川口」と「公益財団法人山の暮らし再生機構(以下:LIMO)」の若い人たちが集まって川口を盛り上げようと誕生した歴史があります。その後、メンバーの移り変わりやLIMOの解散を経て、現在は第3期目となる越後川口エンジンが、そのマインドを緩やかに、そして大切に引き継いでいます。

「お給料が発生する仕事とは違い、やりたいことをやって形になったときの満足感。そして新しい人たちと繋がれることが何よりの魅力ですね」と青柳さんは言います。

祭りの余波が届きにくい地域に響いた喜びの声

かつて川口地域では、各地区でお祭りのたびに色鮮やかな万灯が作られていましたが、中越地震の影響により作られなくなってしまっていました。
「あの活気と万灯を、もう一度復活させたい」
そんなコアメンバーの想いに楽しそうと共感してくれた協力者が集まり、2024年からプロジェクトが始動しました。

万灯の復活に向け、約20年間眠っていた古い台車を引き出し、建築会社を営むコアメンバーの力を借りながら修復。

協力者とともに、川口の公式キャラクター「かわぐっち」を大きく描き色を塗り、いざ復活した万灯を川口祭りでお披露目すると、予想を超える大きな反響がありました。

川口祭りは東川口の中心地で盛り上がりますが、万灯はお祭りの余波が届きにくい場所にまでトラックに載せて巡行します。

「山上の地区まで万灯を引いていくと、おじいちゃん、おばあちゃんたちが本当に喜んでくれてね。『待ってたよ!』って声をかけてくれるんです。最初は盛り上がるか少し不安だったんですが、まちの人の反応を見て『これは絶対に続けなくちゃいけない』という確信に変わりました」。

「得意」が必要とされる幸せ。イラストが繋いだ親子のお話し。

万灯の制作現場には、大きなトラックとその上に載せる木枠、そして鮮やかに描かれたイラストが並びます。
実は、万灯の横幕を彩る美しいイラストは、イラストを趣味に持つ地元の若者の手によるものです。

「横幕のイラスト」を担当して今年で3年目になるというボランティアさんに、活動に関わるようになったきっかけをお聞きしました。

今年の横幕は、青空に女神輿をモチーフに描かれた。

「最初は万灯作りの人手が足りないから『絵が得意ならぜひイラストを描いてほしい』と声をかけられました」。

学校に通えなかった時期があり、地元に少し居づらさを感じていたと言います。地域のお祭りにも参加していませんでした。

「この万灯プロジェクトに参加するようになってから、知り合いが増え祭りでも役割ができたことで、地元にとても居やすくなり、自然とお祭りにも行けるようになりました。『当日もトラックに乗って万灯を盛り上げてよ!』と温かく誘ってもらえて、少しずつ自分が地域の一員として居やすくなったと感じています」。

そんな変化を隣で見守ってきたお母さんも、現在は一緒に活動に参加しています。

「本当に嬉しいですね。娘が生き生きと楽しそうに活動しているのを見て、私も一緒に何かしたくて、去年から色塗りの手伝いとして参加させてもらっています。
何より、娘の得意なところ(イラスト)を周りの人たちがすごく必要としてくれて、あてにしてくれている。それが母親として本当に嬉しくて…。今ではお祭りだけではなく、年間を通じて活動メンバーと繋がったことが私にとっても大きな安心感になっています」。

お祭りという一過性のイベントを超えて、誰かの「得意」が誰かの「生きがい」になり、家族の笑顔をも生み出していました。

当日のトラック運転手から制作へ。多世代がごちゃ混ぜで楽しむ「居場所」

「最初は、祭り当日のトラックの運転手として声をかけられたんです」。

今年から万灯の制作にも関わり始めたという地元の自営業(農業)を営む男性にインタビューしてみました。
お祭りの当日に万灯を載せるトラックを運転する役割で関わっていました。

「去年までは運転だけだったけど、『今年は作る方も手伝ってみない?』と誘われて。いざやってみたら、組み立て方や絵の描き方など、子どもの頃に見ていた万灯の裏で大人はこんなに苦労して作っていたんだと初めて知りました」。

小中の同級生だったコアメンバー(写真右)に誘われ、今年から制作に参加(写真左)

「実家が農業をやっていて、普段はあまり地域住民と深く関わることがないんです。でも、ここに来ると色々な世代の人と知り合えるし、仕事以外の雑談もできて、話のネタが増えて面白いですね」。

越後川口エンジンには、普段の仕事や学校生活では決して交わらないような、多世代が集まります。
そこには、「お互いを責めない、求めすぎない」という、心地よい信頼関係があります。徐々に認知が広まり、関係者にもいろんな方が増えていっている越後川口エンジン。

取材中もさまざまな方から「色々な人と関わることが出来て楽しい」「川口にまだこんな人がいたんだという発見があった」。という声を聞きました。

子どもの内から祭りに関わって欲しい思いから生まれた「子ども万灯」

活動に参加し始めてから、地域の未来について考えることが増えたというボランティアさんにお話を伺いました。

「少子高齢化が進み、人が減っていく中で、今までできていた伝統行事やお祭りをどうやって縮小しながらでも続けていくか。全部を昔の形のまま残すのは難しいかもしれないけれど、なんとか形を変えて、工夫して続けていくことがこれからの時代は大事なんじゃないかなって考えるようになりました」。

そんな中、子どものうちからお祭りに関わって欲しいという思いで、万灯復活プロジェクトでは、「子ども万灯」を作っています。地元の保育園児たちに絵を描いてもらい小さな万灯を一つ作ります。お祭りの当日は子どもたちも一緒になって街を巡ります。

川口保育園の園児に6面分のイラストを依頼。今年は塗り絵。

「越後川口エンジン」の万灯は、このように子どもの関わりしろも作ることで、祭りに子どもが自然に溶け込む景色を作り出していました。

あなたも「越後川口エンジン」をのぞいてみませんか?

「ここの一番の魅力は『ゆるさ』ですね。いろんな人が集まっているけれど、『なんでこの前来なかったんだよ』なんて責める人は絶対にいません。
子どものための場所、高齢者のための場所、と区切るのではなく、お年寄りも、子育て世代も、若者も、子どもも、みんなが『自分もここにいていいじゃん』と思える。越後川口エンジンは、そういう誰にとっても等身大でいられる居場所なんです」。

団体名の名前の由来となった「円陣」と動力の「エンジン」
関わってくれた人と円陣を囲み、一人一人のエンジンを利用し前に進んでいくような居場所でした。

越後川口エンジンが気になった方は、Instagramをチェックして、ふらっと顔を出してみてください。

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